動詞 “leave” の使い方
“leave” は、「ある場所や状態を『去る』、あるいは『残す』」というコアの意味を持つ動詞です。この「去る」という動作は、物理的にその場を離れるだけでなく、何かを残して立ち去る、あるいは放置するという意味にも広がります。つまり、「そこから去る」ことで何かをその場に「残す」というイメージが“leave” の根底にあります。そのため、depart や exit といった「去る」動作とも重なりますが、“leave” には「残す」というニュアンスが含まれることがあります。
意味1:去る・出発する
主な意味:“leave” の基本的な意味は「ある場所を去ること」です。これは物理的な移動を表し、そこから出発する、あるいはその場を立ち去るという行為に直接繋がります。この動作は、具体的な場所(家や学校など)から他の場所に向かう行為として使用されます。
例文
- leave: She left the office at 5 p.m.
(彼女は午後5時にオフィスを去りました。→職場を離れて別の場所へ移動するイメージです。) - depart: The plane departed from the airport at noon.
(飛行機は正午に空港を出発しました。→出発点から目的地へ向けて去る行動です。) - exit: Please exit the building through the back door.
(後ろのドアからビルを退出してください。→ビルから外へ去る行動です。) - withdraw: He withdrew from the competition due to injury.
(彼は怪我のため競技から撤退しました。→競技という場から身を引いて去るイメージです。)
ニュアンスの違い
- leave: 一般的に「去る」という意味で、特定の場所を離れることを指します。
- depart: 特定の時間や計画に基づいて出発することを強調します。
- exit: 建物や空間から物理的に外に出る動作に焦点を当てています。
- withdraw: 特定の状況や参加している物事から身を引くことを意味し、競技や活動からの撤退を表します。
意味2:残す・置いていく
主な意味:“leave” が「去る」という行為は、結果として何かをその場に残していくことに繋がります。何かを残すことで、自分がその場を離れた後に、物や責任がその場所に存在し続けることになります。これは物理的な物品だけでなく、抽象的な責任や課題を「その場に残しておく」ことも含まれます。
例文
- leave: She left her phone on the table.
(彼女はテーブルに電話を置き忘れました。→自分が去った後に、電話がその場に残っているイメージです。) - leave: Leave the door open, please.
(ドアは開けたままにしておいてください。→ドアを開けたままの状態で「その場に残しておく」イメージです。) - abandon: The ship was abandoned by the crew.
(その船は乗組員によって放棄されました。→乗組員が船を去り、船だけがその場に残るという状態です。) - desert: He deserted his family.
(彼は家族を見捨てました。→彼が家族を残して去る、見捨てるというニュアンスです。) - forsake: She would never forsake her beliefs.
(彼女は決して自分の信念を捨てません。→信念を放置して去ることをしない、つまり信念を守り続けるという意味です。)
ニュアンスの違い
- leave: 一般的に「置いていく」や「忘れる」という意味で使われ、物や責任をその場に残すことを指します。
- abandon: 何かを放棄して去る、特にその後それを取り戻す意思がない場合に強調されます。
- desert: 主に人を見捨てる、特に感情的なつながりを断ち切るイメージです。
- forsake: 信念や理念を捨てることを意味し、精神的または道徳的なものを手放す際に使われます。
意味3:任せる・許可する
主な意味:“leave” の「去る」という動作は、何かを「任せる」または「そのままにしておく」という意味に派生します。自分がその場から去ったり、干渉しなかったりすることで、他の人に決定を委ねたり、許可を与えたりすることになります。何かを放置することで、相手に自由に行動させるという意味が生じます。
例文
- leave: I’ll leave the decision to you.
(決定はあなたに任せます。→自分は決定の場から去り、相手にその判断を委ねるイメージです。) - allow: They allowed him to speak at the event.
(彼らは彼がイベントで話すことを許可しました。→相手にその行為をさせることを許し、干渉しない状態です。) - let: She let him go without an explanation.
(彼女は説明もなく彼を行かせました。→彼を拘束することなく、自由に行動させることを許す状態です。) - permit: Smoking is not permitted in this building.
(この建物では喫煙は許可されていません。→喫煙する自由を与えない状態です。)
ニュアンスの違い
- leave: 他の人に物事を委ねたり、判断を託したりする時に使われ、決定権を譲るニュアンスがあります。
- allow: 何かをする許可を与え、行動を制限しないことを強調します。
- let: カジュアルな表現で、相手に自由に行動させることを指します。
- permit: より正式な表現で、規則や規定に基づいて許可する意味があります。
意味4:やめる・放棄する
主な意味:“leave” の「去る」という行為は、何かを完全にやめる、あるいは手放すことに繋がります。これは物理的な場所や状態からの移動ではなく、責任や役割、習慣などから身を引く、放棄するという意味に発展します。つまり、自分がその場や状況から完全に去ることで、何かをやめるという結果を生み出します。
例文
- leave: He left his job last month.
(彼は先月仕事を辞めました。→仕事という役割から去ることで、それを放棄するイメージです。) - quit: She quit smoking last year.
(彼女は去年タバコをやめました。→タバコを吸う行為から完全に去ることで、それをやめる意味です。) - relinquish: He relinquished his position as CEO.
(彼はCEOの職を辞任しました。→役職から去ることで、その責任を手放すニュアンスです。) - drop: She dropped out of the race.
(彼女はレースから脱落しました。→レースという場から去ることで、競争を放棄するイメージです。)
ニュアンスの違い
- leave: 何かをやめるという一般的な表現で、職務や役割から去ることを指します。
- quit: 主に習慣や行動を完全にやめる際に使われます。
- relinquish: 権力や地位など、重要なものを意図的に手放す意味が強調されます。
- drop: 競争や競技から離脱する、または途中で何かを放棄するニュアンスです。
まとめ
“leave” はそのコアの意味である「ある場所や状態を去る」を基に、物理的な場所を去るだけでなく、物や責任を残す、あるいは許可や放棄を表す多様な場面で使われます。何かを去ることで、その場に何かを残す、あるいは自由にさせるというニュアンスが広がります。
- 去る・出発する:物や人が場所から他の場所へ移動すること。
- 残す・置いていく:何かをその場に残す、あるいは放棄すること。
- 許可する・見逃す:何かをそのままにして許可すること。
- やめる・放棄する:何かをやめる、または手放すこと。
類義語一覧と分類
- 去る・出発する:depart, exit, withdraw
- 残す・置いていく:abandon, desert, forsake
- 許可する・見逃す:allow, let, permit
- やめる・放棄する:quit, relinquish, drop
確認問題
下記の文章を和訳してどの意味が使われているのか確認しましょう
- Please leave your bags at the entrance.
- He left his job last year.
- She left the meeting early because she had another appointment.
解答&解説
- 解答:「入口にカバンを置いていってください。」
解説: この文では “leave” が「残す」という意味で使われています。これは「② 残す・置いていく」の用法に該当します。 - 解答:「彼は去年仕事を辞めました。」
解説: “left” は「辞める」という意味で、仕事を放棄するニュアンスが含まれています。これは「④ やめる・放棄する」の用法です。 - 解答:「彼女は別の予定があったので、会議を早退しました。」
解説:“left” は「去る」という意味で、会議を途中で離れたことを示しています。これは「① 去る・出発する」の用法です。
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