海外大学受験を目指す保護者サポートのポイント
「海外大受験を目指す子どもへの親としての関わりを知りたい」
「子どもを応援したい気持ちはあるけれど、具体的に何をしたら良いのか分かりません」
といった海外進学を検討している親御さんの疑問に答えるため、
LOOPALで実施している保護者様向けの座談会の様子をまとめております。
【保護者向け】海外大学受験を目指す保護者サポートのポイント
子どもにとって、海外大学受験は大きな不安の種です。
国内の大学受験なら、部活の先輩や周りの経験者から情報を聞けたり、模試の判定や合格ラインを参考にできるため、ある程度の見通しが立てやすいですが、海外大学の受験となると話は違います。
先生や先輩からの情報も少なく、どんな準備をしたらよいのか、合格後の進学の実現性、そもそも「良い大学」とはどういった大学なのか、分からないことだらけです。
さらに、円安や感染症の流行といった予測しづらい要素も絡み、子ども自身がどうにかできる問題ではありません。
それでも、子どもたちは「海外で学びたい」という強い意志を抱いています。
不安があるからこそ、その不安を乗り越えたい。未知の道を切り拓こうとする姿勢はまさにパイオニア精神そのものです。
このような不確実性を恐れず、前に進もうとする人たちこそ、これからの時代を築いていくのだと思います。
そんな挑戦者である子どもたちを一番近くで支えるのは、親御さんです。
しかし、その分不安も大きくなります。情報不足や、保護者同士のつながりが希薄で相談できる相手が少ない中で、どのようにサポートすべきか悩む方が多いのではないでしょうか。
経済的に支えたい気持ちはあっても限界があります。
また、子どもが国内の大学受験のように毎日何時間も勉強に集中しているわけではなく、自己分析やエッセー作成など、今まで見たことのない受験プロセスを進める姿に、不安を感じることもあるでしょう。
応援したい気持ちはあるけれど、どのように関われば良いのか戸惑うことも多いはずです。
こうした不安を少しでも解消するために、LOOPALでは保護者の交流の場として、座談会を実施しています。
今回はゲストに海外進学を終えた方の親御様をお迎えし、保護者の皆様との座談会を実施した様子を記事としてまとめました。
■ ゲスト
LOOPAL生のお父様 宮永圭一郎 さま
お子様が弊社の進学サポート
プログラムを利用し、
米国のLake Forest College
から奨学金を獲得し合格。
今年9月から進学。
■ 中1から高2までの準備の期間
【海外を意識するきっかけづくり】
- 英会話教室
- オンラインの英会話をはじめたところ、すごくフィットして、英語の実力が上がるきっかけとなり、そこから英会話のコミュニケーションの能力が上がっていった。
- 短期留学
- 朝から夜まで一日中ずっと英語漬けの毎日。親元を離れて、さらには海外での1人での生活は初めてのことだらけ。そんななかでの約3ヶ月の留学を通して、視野も広がり、英語力という点だけでなく、海外で1人で生活をするということに関しての自信がついた。
- 海外大進学した方のリアルなエピソード
- 高校から全く英語ができない状態でアメリカの大学に行った方に、実際に行ってみてからのエピソードなんかも含めて話をしてもらった。後で振り返ると、それがきっかけでアメリカ、海外に行こうというふうに決めたとのことで、実際のリアルなエピソードで海外進学のイメージが湧く、具体的なものになるというのは考えられる。
【課外活動】
- 取り組むタイミング
- 課題活動に関しては、早ければ早いほど良い。「学生時代にこんなことをやってきました」というような、実体感のある活動の経験が課外活動にあたる。そういう意味では、もっと積極的にクラブ活動をやってみたりだとか。課外活動的なものにどんどん取り組むとか、より幅広くやれるともっと良かった。
- 取り組む内容
- 課題活動に関しては、早ければ早いほど良い。「学生時代にこんなことをやってきました」というような、実体感のある活動の経験が課外活動にあたる。そういう意味では、もっと積極的にクラブ活動をやってみたりだとか。課外活動的なものにどんどん取り組むとか、より幅広くやれるともっと良かった。
- ガールスカウトやYoutube投稿も1つの要素になった
- 幼少時からガールスカウトをやっていた。それを本人は、ちょっとたまにブツブツ言いながらもやってたが、そこは親がプッシュして、「やんなさい!やんなさい!」とやらせてたのが功を奏した。
- また、親が知らないところで勝手にユーチューバー活動などをやっていて、それがあるテーマで弾けて400,000人の人に見られたみたいなエピソードをこっそり持っていた。
- 実は中身は何でも良い
- 例えば、アメリカの大学受けるときのキーポイントがあるうちの1つがエッセイだというが、エッセイの中身というのは、「そんなそれほど大それたものである必要はなく、何でもいい。」というのを聞いて、自分が好きなことをぐっと深く掘り下げて徹底的にやり切るみたいな経験が、どんなテーマでもいいから1つあると役に立つ。
- 授業外の活動全て課外活動なので、自分で関心のある本を読み漁る。そこから何か関心のある何か、その人がいればコンタクト取ってみるとか。今日からでもやれることは絶対あるはずなので、コツコツ好きなことを始めていく。
【英語力】
- 英語が得意だと自覚すること
- ステップバイステップで少しずつ英語ができるようになった時に、自分は英語が得意であるっていう意識が、本人の自信ややる気を増幅させていったっていうのは、親から見ていて感じた。「少しできるようになった」「他の人よりできる」というところから、「じゃあもっとできるようになるんだ」と、増幅していった。
- 短期留学
- オーストラリアへの3ヶ月の経験っていうのが、期待した以上に意味があった。もちろん滞在期間中にえられたものもそうだし、そこでできた友達関係が今もずっと続いている。
- それはすなわち英語でコミュニケーションを取り続けるということになるので、言葉だけではなく、文化とかビヘービアとかも含めて、どんどんインターナショナル化し、グローバル化していった。
- 英語力のバリデーションの種類と相性
- TOEFLとかIELTSとか、あるいは今っていうDuolingoなどかなり広がってはきているが、形式も違う。求める英語力みたいなのは、アカデミック英語、大学で求める英語というところで、共通はしつつ、形式がちょっと違っている。人と英会話をする、綴りを書かなきゃいけない、選択式とかっていう形式が若干違うので、相性は少なからずある。そこを早い段階で掴んでおくことも重要。
■ 高校3年生受験までの1年間
- 普通の人とは違う道を選ぶということ
- これ自体がすごくチャレンジで、東京の学校ではあったが、学校自体は海外だとかグローバルとか言いながらも、実際のところ海外進学に関する経験もなきゃ知識もなきゃ、実は具体的な動きもそんなになかった。すなわち、多くの周りの友人たちはほとんど全てが日本の大学進学に向かって勉強している状況。
- そのなかで、1人で違うストリームラインにいるっていうこと自体は、非常に孤独であり、強い心を必要とする技であったなというふうに思う。そこが一番大変と言っても過言ではない。
- 留学エージェントに通う
- 高校3年生の初めの頃から、土日はできる限り、留学のためのエージェントに、親もよくわからないのでとにかくしらみ潰しに、子供と一緒になって、そういうところに実際に出かけていき、そこの代表の方とお話をしたり、研修のクラスに出てみたりとかっていうのを、一生懸命付き添ってやった。
- だいたい大手っていう名前が出てくるようなところは、おそらく全部回ったが、それもどこが本当にいいんだろうかとか、わからなかった。どういうどこの会社のこういうアプローチが正しいんだとか、もっと言うと、子供にとってハッピーな結果になるかとかっていうのは全然やっぱわからない。つまり世の中に情報がほとんどない。
- エッセイ
- すごい大変、時間がかかるというふうに聞いていたし、エッセイの中身そのものもそうだし、審査する実際のアメリカの大学の先生が読んだ時にどういうフィーリングでこう受ける、読み取るかとか、各その順番とかしきたり、マナーがあると言われたが、それこそ何にもサポートしようがないので、親として直接サポートできることはなく、知識のあるところに任せるという選択が良い。
- どこに任せるかというところに関しては、趣旨、趣向、やり方や進め方など、もう少し言うと、テクニカルなところ、現地との連携の取り方とか、あとは会社のヘッドの意思など。そういうものを全部踏まえた上で、ここがいいよっていうふうにサジェストするのは親も介入していくところになる。
- 実際にアポイント取ってみたりとか、予約取ったりというのは自主性のところを測るという意味でも、あえて子ども自身にやらせる。
- エージェント選び
- 様々な業者があるが、組織が大きくなって歴史が長ければなるほど、ものすごく属人的になる。このA社、B社、C社って巨大な3つ、4つあるとしたら、そこの誰かに当たるとすごくいいけど、誰かに当たると良くないみたいなのを感じた。
- 小さな組織であっても、子どものために、子どもの成長のためにという代表の想い、代表のキャリアのバックグラウンドがブレない、芯があるかどうかというのは1つの基準になる。
- 入学に向けた準備プロセスというのは、子どもに自主的に考えさせるっていうところが重要で、一緒に選んでくれた大学。自分で選んだという大学。その自負があるところに最終的には通うことができて、「本当にこの大学でよかったんだろうか」というブレとか迷いが後から生まれることもなくなる。
- 大学選び
- ビジネスの経験から、ヨーロッパを経験したら、次は絶対アメリカを経験してくださいとなる。
- アメリカはやっぱり何がどうあっても世界のビジネスの中心であることは間違いない。すなわち、文化の中心でもあり得る。授業料の問題はあるが、補助金もでる。結果的に家計の持ち出しっていう意味では、差し引きすると、実はアメリカの方がハードルが低いという見方もできる。
- 優柔不断で、私は将来何になっていいかわからないみたいな人は、リベラルアーツという大学の仕組みに入って1年、2年の間でいろんなことを学んで、その中で自分にフィットしたものを決めて3年から専門に入っていくというのが良い。
- 地域に関しては、気候や住み心地の良い地域は、もちろん人気があって、レベルが高い。移民、財政や治安、空港からの地の利などの観点から問題点を挙げていって、絞り込んでいくところは親が関与していった。
- ある程度絞ってからは実際に学校に行って、校長先生レベルと直接会って「すいません。この学校に入りたいんですけど、お金がないのです」、「奨学金をたくさん出してください」っていう話をする体で行って、大学の雰囲気も見て、そこに留学している日本人の方々ともちょっと会話をさせていただいたりなどもして大学選びの材料にした。
- 大学選びに終わりはない
- その時に行きたいところがベストであって、なんか調べ切ることはまず不可能。その時にその子に引っかかる何かしらのフィルターを通して、「あ、ここがいいかも!」っていうところは、エージェント側もわからないし、親御さんもわからない。その本人しかその時の価値観で選ぶ。規模だったり地域だったりカルチャーだったり。
- こっちが整理をしてっていうよりは、親御さん、子ども自身が、「こんな大学で学ぶっていうことはとても楽しいんだ」、「絶対自分はそこで学びたいんだ」っていうことを、言語化していく中で見えていくものがある。
- 明確は指標はなく、自分のフィルターを通して選ぶので、そのフィルターがないと選びようがない。だからこそ、大事な要素は「これと、これと、これと、これなんだ!」みたいなのを、自分自身の中で作っていく必要がある。それは立地だったり雰囲気だったり、もちろん学びのカリキュラムの仕組み。リベラルアーツかどうかみたいな話とか。課外活動でどんなスポーツをやりたいのかとか、スポーツチームがあるかとか、あるいは、場所はカリフォルニアかみたいなのもすごく大きい。それは人によって違うので、みんなに共通してこうやったらいいよっていうのは難しい。
■ 進学について
- 海外での生活
- 1人で留学でもない、ホストファミリーでもないところに1人でポンと行って過ごして、授業も受けて食事もして。治安的な問題もあるし、友達とうまくやっていけるんだろうか?など。
- でも、強い意志と覚悟があってその道を選択している。結果的に金銭的にも大きな負担はあっても、借金をしてでも、親としてはサポートしてあげてよかった。
- 海外進学で得られる価値
- 英語力の求められる職場で、英語をきちんと使える人なんてほとんどいない。今でも英語は当たり前じゃない。だからこそ、社会に出たときに英語を喋れる、しかも海外の文化を知っている、理解しているっていうことのアドバンテージがどれだけの価値を持つかをより実感している。
■ 最後に
今回インタビューさせていただいた保護者の方からのメッセージをいただきました。
「本当によくわかるんですよね。悩んで大変、どこを見ても答えを誰も教えてくれないので、すごく今ニッチな部分だと思いますけども、1つ言えるのは今の時点でお子様とか、お親御さんが海外ということを視野に入れてるという時点で、これ自体がすごく大きなバリューだと思うんですよね。価値を持っている。可能性を持っていると思います。
結果的にそうじゃなくてもいいと思うんですよね。日本の大学入って、そこから1年留学するっていう手だってもちろんありますし、いきなりアメリカの大学行くっていうだけがソリューションではないと思いますけども、今そう思われていて、この場にいらっしゃってるってこと自体がすごく頭突き抜けて、明るい未来にと向かっているような気がしますので、大変だと思いますけれども、ぜひ頑張っていただければと思います。」
今回の座談会を通じて、海外大学受験における留意点や親のサポートのポイントが明らかになりました。これを参考に、留学を検討する親御さん方がより円滑に受験期間を乗り越え、子供たちが安心して留学生活を送る手助けになれば幸いです。
また、今回の座談会のように留学を検討する親御さんに向けた場というのは、そう多くないのも現状です。LOOPALでは今後も積極的に、親御さん向けへの発信も続けて参りますので、ぜひそういった機会をご活用いただければと思います。