大学選定のステップ

日本の大学を選ぶ感覚では「自分にピッタリの大学」は見つけられない
日本の大学を受験する時、多くの人は
・学力レベル(偏差値)
・学びたい分野
・国公立か私立か
等の点を考慮して大学を選ぶのではないでしょうか。
しかし、世界中から大学を選ぶとなると、このような視点だけでは絞りきれません。
更に、海外の大学は、日本のように試験の成績で合否が決まるわけではなく、「エッセイ」や「志望理由書」なども重視されます。そのため自分なりの軸をもって大学選びを行うことが大変重要です。
海外大の受験制度についてはこちらの記事をご覧ください
https://www.notion.so/b6fd687e8aa144d38ad01928816bf29a
「自分に合った大学」を見つけるメリット
どんな学びがしたいか、どんな大学生活を送りたいか考え、自分に合った大学を見つけることは、
・合格の可能性が上がる
・奨学金をもらえる可能性が上がる
・勉強のモチベーションが上がる
と、メリットばかりです。
自分なりの基準を考えながら、以下のようなステップで大学選びを進めていきましょう。
目次
それでは具体的に大学選びのポイントを見ていきましょう。
自分にとってどのような点が重要なのか考え、リストを作成して大学調べを進めるのも良いですね。
ポイント1:どの国にするか
チェック項目
- 興味のある分野について学べる国は?
- リベラルアーツか専門的な学びか
- 英語圏か非英語圏か
- 文化、気候、食
- 時差
・興味のある分野について学べる国は?
例えば学びたい分野が「言語」や「ある地域の文化・歴史」などであれば、それが留学先を決める大きな指針になりますし、科学系の学問でも、地理的・社会的要素を重視したい分野もあるでしょう。
また、その土地ならではのユニークな専攻も多く存在しますし、日本では学問として確立されていない分野もあります。「海外(またはその国)でしか学べないこと」を調べてみても良いでしょう。
・リベラルアーツか専門的な学びか
アメリカはリベラルアーツが盛ん、イギリスは一年次から専門科目を多く履修するなど、国ごとに大きな違いがあります。自分が大学でどのように学んていきたいか考え、それに合ったカリキュラムを提供している国を選びましょう。
・英語圏か非英語圏か
英語が第一公用語ではないヨーロッパの国々にも、英語で学べる大学は多くあります。
ヨーロッパの多くの国では、学費を低く抑えられるというメリットがありますが、現地での生活にはその国の言語も必要になってきます。これをプラスに捉えられるのであれば、選択肢が広がるでしょう。
・文化、気候、食
何年も過ごすことになる国で、文化や気候や食が合わないと辛く感じるものです。無理なく暮らせる場所かどうかも考えてみましょう。
・時差
日本の家族や友人と頻繁に連絡を取りたい、日本のオンラインイベント等にも積極的に参加したい、と考えている人は、時差が少ない方が負担がないでしょう。
ポイント2:大学生活に求めること
チェック項目
- 学びに関すること
- アカデミックな学びか、プロフェッショナルな学びか
- 設備
- 学生と教師の比
- 教授の研究内容
- どんな仲間と過ごしたいか
- 校風
- 留学生の割合
- どんな経験がしたいか
- クラブ活動・ボランティア活動
- アルバイト
- インターン
- 留学
- どんな生活が送りたいか
- 大都市か地方都市か
- 郊外型キャンパスか都市型キャンパスか
- 大学の規模
- 住まい方
学びに関すること
・アカデミックな学びか、プロフェッショナルな学びか
大学は、それぞれの設立の経緯や世の中のニーズによって、学びの方向性が異なります。
研究職を目指したい、就職に向けてスキルを身につけたいなど、自分の求める学びに合う大学を見つけることが大切です。
・設備
図書館や研究設備が充実しているかどうかもチェックしておきたいポイントです。
・学生と教師の比
教員数と学生数の比は、大学によって大きく違います。教師陣とコミュニケーションを密に取りながら学びたい人は、特によく確認しましょう。
・教授の研究内容
学びたいことがはっきりしている人は、その分野で研究をしている教授がいるかどうか確認を。はっきりと決まっていない人は、興味が持てそうな研究をしている教授がいるかどうか、見てみましょう。
どんな仲間と過ごしたいか
・校風
アットホームな学校、自律的な雰囲気の学校、パーティー好きが多い学校…と、大学により校風は様々です。学校紹介動画や、SNSなどをチェックしてみると雰囲気を感じ取れるかもしれません。
・留学生の割合
留学生の多い国際的な環境を望む人もいれば、現地の学生との交流を重視したい人もいるでしょう。また、留学生の出身地が偏っていたりすることもあります。留学生の割合やその内訳を知ることで、どんな仲間と共に学ぶことになるかが見えてきます。
どんな経験がしたいか
・クラブ活動・ボランティア活動
学生の交流の場ともなるクラブ活動やボランティア活動。「こんな活動がしたい」という希望を持っていたら、大学のウェブサイトやSNSを調べるなどしてみましょう。
・アルバイト
アルバイトに関する規定は国によって異なります。「学内でのみ可能」「週20時間まで」「休暇中はフルタイム就労可能」など様々なので、アルバイトを考えているならばよく確認しておきましょう。
・インターン
在学中にインターンに挑戦したいなら、インターンが組み込まれているカリキュラムを提供している大学を探すのもおすすめ。長期休暇に自分でインターンを行うなら、受け入れ先が見つけられそうな立地の大学を選ぶと良いでしょう。
・留学
海外の大学に在籍しながら、更に別の大学に留学することもできます。提携先の充実度やサポート体制は大学によって様々なので、在学中の留学を考えているなら、こういった観点でも大学調べをしてみましょう。
どんな生活が送りたいか
・大都市か地方都市か
大都市は、刺激的、アルバイトやインターン先の探しやすい、などのメリットがある一方、生活費は高めになります。地方都市は刺激が少ない反面、生活費は抑え目で、落ち着いて勉強に取り組みやすい環境といえるでしょう。
・郊外型キャンパスか都市型キャンパスか
郊外型キャンパスとは、広大な敷地の中に大学施設や寮などが全て揃っているようなスタイルのキャンパスを、都市型キャンパスとは街の中に大学の施設が点在しているようなキャンパスを言います。
どんな生活や環境を望むのかを考えながら、キャンパスのスタイルをチェックしましょう。
・大学の規模
一口に大学と言っても、学生数が数万人という大規模校から、学生数が1000人程度という大学まで、規模は様々です。
例えばアメリカでは、大規模校は設備面が充実していて研究に力を入れている、小規模校は教授との距離が近くサポートが手厚い、など、それぞれ特徴が違います。
どのような環境を求めるのか、大学の規模の面からも考えていけるでしょう。
・住まい方
住まい方も国や大学によって様々です。全寮制の大学もありますし、ホームステイが可能な場合もあります。シェアハウスを希望する場合、大都市では家賃の相場が高くなる傾向があります。
希望する住まい方があれば、それも考慮して大学を選びましょう。
ポイント3:卒業後の進路
チェック項目
- 就職状況
- 卒業ビザ
・就職状況
各大学のウェブサイトには、卒業生の就職・進学状況が載っています。希望の進路に近づけるかどうか判断する、一つの材料として活用できます。
・卒業ビザ
卒業ビザとは、大学を卒業後1年〜数年間にわたってその国に滞在できるビザです。(国によって名称や制度は異なります)
雇用主(ビザスポンサー)を見つけなければいけない就労ビザと違って、インターンやアルバイトで経験を積んだり、じっくりと就職活動に取り組めるなど自由度が高く、数年かけてその国で暮らす足場を築くことができます。
卒業後もその国で暮らしていきたいという希望があるなら、卒業ビザの有無や条件もチェックしておきたいところです。
ポイント4:考慮すべき点
チェック項目
- 費用
- 英語レベル
- 成績要件
・費用
学費や生活費も重要なチェックポイント。日本で申請できる奨学金が適用できるかどうかや、大学独自の奨学金制度が充実しているかどうかも確認しておくと良いでしょう。
・英語レベル
出願に求められる英語レベルは、意外と大学によって違いがあります。また申請に使える検定試験の種類も、大学がそれぞれ決めていますので、早めに確認しておきましょう。
・成績要件
大学検索サイトには、合格者のGPAの数値なども載っています。また出願要件として「GPA〜以上」と明示している大学もあります。合格可能性を推し量り、受験を戦略的に進めていく上で、知っておくべき情報ですね。
まとめ
大学調べは大変ですが、とても重要かつ、楽しいプロセスです。ぜひ納得いくまで大学調べをして、出願までに「ここで学びたい!」と思える大学を見つけてくださいね。
参考1:大学選びに使えるサイト
個別に大学のウェブサイトを見ていくのはとても労力がかかります。検索サイトやランキングも活用し、様々な大学と出会う機会を持ってみてください。
- 世界中の大学を検索 → Bachelorsportal(https://www.bachelorsportal.com/)
- アメリカの大学検索サイト → Niche(https://www.niche.com)
- 大学の世界ランキング。学問分野ごとのランキングもあるサイト → QS Universities Rankings(https://www.topuniversities.com/university-rankings)
- アメリカの大学ランキング。情報が豊富なサイト → US News Rankings(https://www.usnews.com/best-colleges)
参考2:大学調べで使うキーワード
- 学部課程 ー Bachelor / Undergraduate
- カリキュラム ー Academic program / Academics
- 入学 ー Admission
- 要件 ー requirement
- 締切 ー deadline
- 学費 ー Tuition fee
- エッセイ、志望理由書 ー Essay / Statement of purpose / Motivation letter
- 履歴書 ー CV / Resume
- 成績証明書 ー Transcript
- 卒業後の進路 ー Career outcome
